私達人間にとって、切手も切り離せない存在「欲望」。本日は欲望をテーマにお届けしてまいります。
欲望とは何か?哲学的に考えてみる
では早速、欲望とは一体何なのか?哲学的な視点で考えてみましょう。
1902年、ロシア出身でフランスの哲学者「アレクサンドル・コジェーヴ」さんは、欲望についてこのように唱えられています。
『欲望が、「私は」と言わせ、自己意識を成立させる。』
また、かの有名な哲学者「プラトン」さんは、「美しい肉体」或いは「お金」「権力」「幸福」など、人間がなにかに魅せられ、強く惹きつけられる力の事を欲望、そして『恋(エロース)』と名付けました。
恋(エロース)と名付けられた事からか、やはり「欲望」と聞くと、少しアダルトな、ちょっとそっち系な印象を抱きやすいように思いますが、プラトンさん的には、これら欲望の対象は、「美的な」もの、つまり美しさがポイントだったみたいですね。
欲望の種類、欲求との違い
欲望とは、普段生活している中で非常に密接な関係を持っています。
そして、やはり私達人間の欲望によるエネルギーの力はとてつもないものがあります。欲望によりモチベーションが上がったり、やる気が漲ってくる事も多々あるのではないでしょうか。
では、それら欲望にはどんな種類があるのか、見ていきましょう。
食欲
1つ目は、食欲です。食欲とは、純粋に「何かを食べたい欲」のことを指します。特に、長期間何も食べていない場合、猛烈に「食べたい」という欲望が沸き起こります。
睡眠欲
続いては、睡眠欲です。「眠りたい」という欲のことですね。単純に「眠りたい」だけでなく、「楽がしたい」と考えるのも睡眠欲に含まれます。
色欲
色の欲と書いて、「しきよく」と読みます。男女の関係をほっする欲です。
男女の欲を抑えるのは非常に難しく、世間では「不倫」「浮気」などのニュースも多いですね。
以上3つの「欲」を見てまいりましたが、実は思想の世界ではこれらの欲は、「欲望」とは言いません。
上記のような、例えばお腹が空いたから食べたいや、眠たい、ヤりたいなど、身体的な必要のことを「欲求」といい、ただひたすら求める「心」のことを、「欲望」といいます。
欲求は「行動」欲望は「欲する心」なので、欲求は満たすことが出来ますが、欲望は際限なく、無限であるという違いがあります。
なぜ欲望にかられるのか?
では、私達人間は、なぜ欲望にかられるのでしょう?
人間が欲望にかられる大きな原因、それは、「他の動物に比べ、人間は未熟な状態で生まれてくる」からではないかと、「ものぐさ精神分析」という本に記されています。
他の動物たちに比べて未熟に生まれてくるので、生きていく為には産まれた子供をなんとかして親が守り抜かなければなりません。
そうなれば、何も出来ない赤ちゃんからすれば、何もかも「いたせりつくせり」なわけです。それによって、「この世界は、何もせずとも全てが思い通りに満たされる」と思うようになっていきます。
これこそが、人間に根付いた「欲望」にかられる根本なのではないでしょうか。
欲望の抑え方・コントロール法
それでは、それら欲望の抑え方、コントロールする方法についていくつかご紹介していきます。
まず、大前提として抑えておきたいポイントは、「欲望」は尽きる事のない無限なものである、という事です。
無くす事は出来ないのです。欲望を無くす!と強い意気込みでいる場合は、達成することが出来ず、心が折れてしまいます。
無くすのではなく、欲望を抑え、コントロールし、欲望と上手に付き合っていくことです。
そのような前提を踏まえた上でおすすめの欲望を抑える、コントロールする方法として、
「自分の欲望を明確に認識する」
という事をまずは始めてみましょう。
普段生活している中で、様々な感情が湧き上がると思います。それらが、自らの欲望を知るサインとなります。
例えば、相手にがっかりしたり、或いは起こったりするという事は、「相手に理解してもらえる」と無意識に期待してしまっているからと考えられます。この感情には、「理解してほしい」という自分自身の欲が隠れている事がわかります。
この自分自身の欲望を知る事が出来れば、自分と相手は違うので、相手に期待しすぎない、自分の期待を押し付けないという考え方を持つことが出来ます。
それはすなわち、自らの欲望を抑えれている事に繋がります。
まずは自分の欲望を知ること、気付くこと。これが非常に重要になります。
まとめ
以上、欲望について見てまいりました。いかがだったでしょうか?欲望を無くすことは出来ません。上手に欲望を抑えコントロールし、付き合っていくことでより良い人生が歩めると信じてやみません。
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